にど だもれ


 

 

僕は今帽子も被らない着流しで、手にはたった今、出町柳の市場で買った桜漬の包みとタバコとを持っている。

僕のウニーコ・ヒオーレ(ただ一つの花)であるところのアマンテ(愛する人)は家で寝ているのだ。早く帰ろう。私たちのニード・ダモーレへ。遥かに叡山を見渡す私たちの、ささやかな、新しい巣、愛すべきかくれ家。

 

(日記「ニード・ダモーレ」(愛の巣)から 

 『にどだもれ 回想牧野四子吉文子』1988より)

 

 

 

 『にどだもれ』は、牧野四子吉・文子夫妻に縁のある100名を超す人たちが寄稿した追悼集です。牧野夫妻が京都に居を構えた時、表札の隣に掲げた言葉が「ニード・ダモーレ」(=愛の巣)であり、また二人が交互に綴った日記の表紙にも同じことばがみえることから、本書のタイトルとされました。

 

 この追悼集は自費出版のため、多くの方に手にとっていただくことが残念ながらできません。けれど、直接牧野夫妻に親交のあった人たちそれぞれが感じた「牧野像」に触れてほしい!という私たち牧野四子吉HP委員会の思いから、ご紹介する準備の整った方の寄稿文から順番に掲載させていただくことになりました。

 

 

  この上ない生き方をされたお二人に    田島 正夫 

 

(田島正夫さんは、『朝日=ラルース 世界動物百科』(1976~1978)で牧野四子吉と仕事を共にされたことが縁で、牧野夫妻と交流を重ねられた編集者です。)

 

 

  そして残された小屋    工藤 茂

  (続き①)

  (続き②)

  (続き③)

  (続き④)


(工藤茂さんも編集者として牧野夫妻と出会い、親交を深められた方です。2013年10月6日付ブログもご参照ください。)